『即効性のあるポップ曲はない。』
神秘の美女にして、孤高のソングライター。12年のブランクがあったが、軽やかに舞い上がる超音波の歌声は、さほど変わっていない。
変化しているのはむしろ作風の方。2枚組という事もあり、長い曲が多い。間にインストを挟む、コンセプト・アルバムっぽい作りも、初。
簡単に言うと、頭(Disc 1, M-1) と 尻尾(Disc 2, M-9) が一番良い。しかし、せっかく良いメロディーなのに、イントロの前置きが長く、感動が薄れてしまう。演奏も、静かに始まり、ゆ?っくり展開する感じ。新しい命を得た幸せ感なのかも知れないが、丸くなってしまったのは確か。
ロック系のファンにウケが良かったくらいで、今までは「勢い」がどこかにあった。「即効性」のあるポップ曲がないのは、個人的にはちょっとイタかった。7分とか、8分といった、長い曲をのんびり聴ける、包容力のある人向け。