『地味だけどガチ。』
これはおもしろい。2008年4月13日の喧嘩一武道会の試合を収録したDVDです。メジャーな格闘技団体のようなパフォーマンスやエンターテイメント性はないが、ギャラなしで格闘技経験も少なかったり大半がなかったりの勝負師達がリングの上で殴りあう。日常は働いていたりとプロではないので喧嘩そのものノーガードの打ち合い必至。威勢よく飛び出していってこれはすごいと思いきや1分間で息切れしたり、ムエタイの経験があっても殴り合いと寝技の持ち込みにムエタイなんて糞食らえのファイティングスタイルになったりと見ごたえ十分。メジャー団体では絶対にありえない上半身が和彫りの刺青でいっぱいのファイターも数多く、観客もその筋と思われるお方がいっぱい。盛り上げ役のアナウンスの「観客の皆さんもアドバイス、声援、罵声がございましたらどんどん浴びせてください」。ボクシングの前座試合だと応援する選手の相手に罵声を浴びせる観客がたくさんいるのにそんな声が聞こえてこないのも感動もの。キャパが小さく100人ほどの観客しか入れず、リンク前の観客は肘や手をリングに置いているほどのすし詰め状態なのでファイターの息遣いまで聞こえているはず。飛び入り参加もいたりハーフタイムショーで女性のセクシーダンスがあったりマイナー色いっぱい。観客の声援もおもしろく、ルールが良くわからないので「そのまま足で顔面を蹴り上げ!・・・は駄目なの?」で爆笑が起こったり。ただ単に殴りあう演出なしの地味な作品なので、過剰な演出の登場シーンやインタビューを期待する方には向きません。いや?とてもおもしろかった。